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Preferred Networksの岡野原です。
今回私達は、創立11年目を迎えるにあたって、新しいミッション、バリューを策定することになりました。
私達が会社を設立した2014年の頃と比べると、私達の事業領域や、世の中は大きく変わってきました。設立当初はディープラーニングの技術が登場し始め、様々な領域で実験的に試行錯誤されながら使われてきたような時期でした。その時に以前のミッションやバリューを策定しました。
それが、現在では生成AIに代表されるように、AIが様々な産業や生活に実際に導入されはじめ大きなインパクトを出してきています。さらにAIを支えるための基盤モデルや計算資源や半導体が重要となっています。私達はこうした世の中の変化に合わせ事業領域を変化させてきました。
こうしたことから、ミッション、バリューを改めて策定し、これを元にこれから取り組んでいければと考えています。今回の策定にあたっては前回同様、社員全員から意見を集めつつ、会社を代表したパネルメンバーが中心となって何度も何度も議論を重ねて決めていきました。その中ではお互い何を大切に考えているか、Preferred Networks (PFN)をどうしていきたいかを話すことができたと思っています。
ここでは、新しいミッション、バリュー、それらに込められた想いについて紹介します。
ミッションは
「現実世界を計算可能にし、共に未来を創り出す」
としました。
これまでのミッションが「現実世界を計算可能にする」としていたのに対し、計算可能にすることで結局何をしたいのかとして「共に未来を創り出す」というのを加えました。この「共に」という部分には、私達とお客様(B2B)、消費者(B2C、B2E)、というだけでなく、「人とAI」「人と計算機」が共に創り出すという意味を込めました。私達はAIがすべて決める、人の仕事をすべて代替してしまう世界ではなく、AIが人の能力を拡張し、進化したハードウェアとソフトウェアが人に寄り添う未来を目指したいと考えています。
このミッションを元に社員の行動規範となるバリューについても5つ定めました。英語と日本語のペアで紹介していきます。
1. Learn or Die 死ぬ気で学ぶ
これは以前もあったバリューを今回も再度採用しました。社員や外部にも広く浸透しており、PFNの文化のコアとなっているものです。技術や世の中が日々変わり続けている中で、進化し、適応していくために全力で学び続けるということを示しています。また、以前よりある考えとして、自分の専門領域に安住することなく、多様な領域に飛び込んでいくこと、実践の中にこそ本当の学びがあると考え、学びと実践を繰り返していくことをバリューとしています。また、以前は「死ぬ気で学べ」としていたのですが、作った意図に反して学ぶことを強制しているように思われてしまうので、表現を「死ぬ気で学ぶ」と変えています。
2. Beyond Customer Expectations お客さま目線の、その先へ
私達の以前のバリューには「お客さまへの貢献」部分がありませんでした。私達はお客さまに貢献するというのは当然のことで、あえて言及する必要はないと考えていたのですが、改めてこれもバリューに加えるべきだと考え入れました。一方で、単にお客さまが望むものをそのまま提供するだけではPFNらしくないと考えました。そこで、お客さま自身もまだ気づいていないニーズや可能性を探り出し、未来を先どりした解決策を描いた上で、それに向けて共に取り組んでいくことを含めました。
3. Think Big, Act Quick 大きく考え、素早く動く
私達は大きく未来を描いてその未来をどう実現するのかを大胆に考えます。例えばAIを作るにあたっては半導体から計算クラスタまでを作って提供しています。一方でこうした大きな構想は、実現しなければなりません。考えすぎて何も動けないということも多くあります。実現のための行動は素早く、完全性を求めず、ミスを恐れない。その中で多くのトライ&エラーを迅速に進め学んでいきます。
4. Be Proactive 自らコトをおこす
私たちは受け身で状況を待つのではなく、先を見据えて考え、自ら行動を起こします。チャンスや課題をいち早く察知し、変化を先取りして動きます。一人で完結させるのではなく周囲を巻き込み、仲間を動かし、粘り強く成果につなげていきます。先を見据えて動く姿勢と自ら仕掛ける行動力によるこのオーナーシップが、大きな結果を生み出していきます。
5. Respect & Unite 敬意を持って、チームとして団結する
私達は多様な専門性や背景をもった集団であり、それぞれがお互い敬意を持ちつつ、率直に意見を伝え合うようにします。ここでありがちなのは、お互いが専門性を持っていたり、異なる背景をもっているがゆえに自分の主張だけを伝えて衝突してしまい、結果として何も生み出さないという状況です。大切なのは、お互い敬意を持ち、誠実であること、それにより、より良い成果へ向かうための建設的な対話をしていくことが強みになると考えています。
今回、定めたミッション、バリューを会社の中で浸透させ、様々な実践の中で示していきたいと考えています。