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2025.05.13

Research

PFNによるPFEの吸収合併について

Daisuke Okanohara

Co-Founder, CTO, CER

株式会社Preferred Elements(以下、PFE)は、PFNグループにおける大規模言語モデル(LLM)開発を加速させることを目的に、2023年11月にPFNの100%子会社として設立されました。以来、国産LLMである「PLaMo」の開発を進めてきました。

開発されたPLaMoは、PFNを通じてAPIサービス「PLaMo Prime」として提供中であり、プロジェクトやプロダクトやサービスへの実装を通じて顧客への価値提供にも活用されています。

私たちが2023年末にPFNの100%子会社としてPFEを設立し、別会社としてLLMの開発を行ってきたのは、主に以下のような理由によるものです。

  • LLM開発には大規模な先行投資が必要である一方、当時はLLM技術展開が不透明であり、LLM開発に特化した独立企業にすることで、PFEが資金調達やパートナーシップなどで様々な選択肢がとれるような体制を確保する必要があった。
  • 特に、LLMの学習には高品質なデータが不可欠であるため、重要な学習データを保有する企業とのパートナーシップ構築を模索しており、その際にPFEがそうした柔軟な連携の選択肢を考えるにあたって有効であると考えていた。

設立後、状況は次のように推移していきました。

まず、PFN全体としては、AIチップ、クラスタ、生成AI・基盤モデル、AIソリューション/製品を一体として提供する「垂直統合型」の事業構想が急速に具体化しました。その中でPLaMoは、PFNの基盤モデル事業の中核的存在となり、独立して開発するよりも、PFNの他の活動と一体となって開発を進めることの重要性が高まってきました。

資金面においても、PFN本体が垂直統合型の事業構想をもとに昨年末にかけて資金調達を進められた結果、今後の開発に必要な資金については一定の目途が立つ状況となりました。PFEが直接資金調達をしてしまうと、PFNグループではあるとはいえ独立して活動をする必要がでてきてしまいます。それよりは、PFNの他事業とのシナジーを活かし、付加価値の創出を通じて差別化を図ることが、グループ全体として重要であると判断しました。

加えて、PFEは100%子会社とはいえ別法人であることから、さまざまな業務上のオーバーヘッドが発生していました。これらをふまえ、今回PFEをPFNに再統合し、一体となって事業を推進していく方針といたしました。

ここで強調したいのは、PFEの吸収によってPFNグループとしてのPLaMo開発の方針が変更されたり、活動を低下したりすることは一切ないという点です。むしろ、PLaMoの開発はPFNグループの中核事業の一つとして、今後さらに注力していく方針です。PFNらしい独自性や付加価値を追求しながら、モデルおよびそれを活用した製品・サービスを提供してまいります。

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